デジタルインクルーシブな健康的高齢化コミュニティ Digitally Inclusive, Healthy Ageing Communities (DIHAC): A Cross-cultural Study in Japan, Republic of Korea, Singapore and Thailand
2021年から2030年の10年間は、「健康長寿のための10年間(Decade of Healthy Ageing)」と位置づけられています。私たちは、世界中の高齢者コミュニティの未来を明るいものとするためには、高齢者の誰もがデジタル資源にアクセスでき、その恩恵を享受できなければならないと考えています。「デジタルインクルーシブな健康的高齢化コミュニティ(DIHAC)」の実現は私たちの夢であり、地球上すべての国と都市の夢でもあります。それを実現する為の私たちの研究がDIHAC研究です。DIHAC研究は文化横断的な研究であり、日本、韓国、シンガポール、タイを対象に、デジタルインクルージョンが「健康的な高齢化」に与える環境的な影響とその重要性について説明するものです。デジタルスキル、Eヘルスリテラシー、ヘルスプローション活動への参加、生活の質(QOL)について、定量的・定性的に分析します。定量的・定性的に分析することにより、各地域の高齢者が“何を表現し、発言し、行動し、考え、感じているのか”そこからみえる文化様式や関連因子を特定し、デジタルインクルージョンと「健康的な高齢化」に対して抱いている本質的な考えや基本的な価値観を明らかにします。私達は様々な分野の研究者がDIHAC研究コミュニティへ参加する事を歓迎します。
デジタルインクルージョン
デジタルインクルージョンは、「健康的な高齢化」の成否を左右する非常に重要な要素となっています。そしてこのデジタルインクルージョンを実現するためには、個人のITリテラシーを向上させる為に、公正なデジタル化の為の政策を立案し、インターネットや通信ネットワークへのアクセス環境を確保しなければなりません。私たちは4か国およびそれ以外の国・地域におけるデジタル化のための政策を精査し、高齢者間にあるデジタル格差を最小化する政策と計画を取り上げます。こうした政策の実現には、市民の信頼と関与が欠かせません。日本、韓国、シンガポール、タイを始めとする世界の国と地域では、デジタルインクルージョンの実現に向けて情報の共有や調整、協調が取られていますが、私たちはその中でも注目すべき事例を精査し、ホームページで紹介していきます。私達の取り組みは世界各地に存在する多様なデジタル格差の解消の一助になる事を確信しています。
コミュニティ
コミュニティの活性化は、健康的な高齢者コミュニティにとって必要不可欠です。世界の多くの都市では、高齢者が健康的に生活できる環境づくりのための投資を行っています。多くの高齢者は定年退職後も健康で充実した生活を送り、市民活動にも参加しています。近年のこうしたコミュニティ活動は「コミュニティベースのソーシャルイノベーション(CBSI)」と呼ばれ、世界各地で独自に展開されています。日本では各地域において「絆サロン」活動を実施しており、その他、多種多様な「高齢者を対象とした地域活動」が賑わいを見せています。私たちはこうした活動に着目し、ホームページで注目すべき事例を紹介していきます。さらに今日では、「社会的処方(social prescribing)」が世界各地で実践されています。社会的処方とは“人と人とがつながりを保ち社会の一員であり続けるために、社会活動への参加の機会を促すもの”です。私たちはこうした取り組みについても、このホームページで紹介していきます。私達は、世界中の様々な場所で日常的に実施される世代を超えたヘルスプロモーション活動に、幅広い関心を抱いています。そうした活動から得られた教訓や経験を共有していきます。
この研究は文部科学省の科学研究費助成事業(基盤研究 B)の助成金を受け実施しています。
研究課題/領域番号
“Digitally inclusive, healthy aging communities (DIHAC): A cross-cultural study in Japan, Republic of Korea, Singapore and Thailand”. 21H00795.
DIHAC研究 倫理承認番号
2024
順天堂大学グローバルヘルス研究部のミョー准教授がUN-ESCAPの専門家として招聘され、2024年9月10日にバリ島のネスト・ヌサドゥア・ホテルで開催された「人口高齢化の課題と機会への対応における政策とグッドプラクティスに関するセミナー」に参加しました。同氏はさらなる介入と政策への助言を行いました。
さらに、2024年アジア太平洋人口高齢化地域会議の「テクノロジーと人口高齢化」セッションにおいて、「アジア太平洋におけるデジタルテクノロジーと人口高齢化」と題したパネルスピーチとディスカッションを行いました。このセッションは国連エスカップ(UN.ESCAP)がヘルプエイジ・インド(HelpAge India)と共同で主催したもので、多くの国際的な関係者が参加しました。APRC会議は、ヘルプエイジ・インターナショナルと複数の国際的主催者により、インドネシアのバリ島ヌサドゥア・コンベンションセンターで開催されました。
グローバルヘルス研究学科のミョー准教授が、2024年9月4日~6日にタイ・バンコクのArnoma Hotelで開催される国際会議「Enhancing Well-Being through Family Dynamics and Intergenerational Synergy towards an Inclusive Society」に招待され、パネルスピーチとディスカッションを行いました。この会議は、社会開発・人間の安全保障省高齢者局とチュラロンコン大学人口学部の共催で行われています。同氏は、健康的な高齢化とデジタル・インクルージョンのための世代間プログラムの設計方法についてプレゼンテーションを行いました。
最新の論文 Sociodigital Determinants of eHealth Literacy and Related Impact on Health Outcomes and eHealth Use in Korean Older Adults: Community-Based Cross-Sectional Survey
最新の論文: Digital Inclusion among Community Older Adults in the Republic of Korea: Measuring Digital Skills and Health Consequences
DIHAC 中国で開催された「アジア太平洋地域における高齢者のデジタルリテラシー向上に関する地域会合」に招待されDIHAC研究の結果を用いて政策提言を行いました。2024 年8月
DIHAC 中国済南市の山東大学趵突泉キャンパスで開催された「第3回中日韓健康高齢化会議」に招待され、講演を行いました。2024年8月
DIHAC 研究チームはチェンマイラチャパット大学100周年記念祝賀会に招待され、DIHACの研究結果を用いて健康な高齢化への提言を行いました。2024年7月
DIHAC【世界銀行アジア太平洋年次保健資金フォーラムのパネルディスカッション招かれ、DIHAC研究の成果を報告した、2024年6月26日】
DIHAC【15回世界エイジング・フェスティバル、アジアエイジング会議に招かれ、アジア太平洋地域2024】
2024年5月9日
研究代表者のミョーニェインアング准教授は、シンガポールのマリーナベイ・サンズ・エキスポ&コンベンションセンターで開催された第15回世界エイジング・フェスティバル、アジアエイジング会議に招かれ、「デジタル包摂型健康エイジングコミュニティ(DIHAC);日本、シンガポール、韓国、タイ」における研究結果について講演を行いました。4カ国におけるデジタル促進プログラムと健康的な高齢化の推進に向けたの政策と実施について説明し、インターネットの使用とデジタルスキルが高齢者の生活の質にどのように関連しているかを報告しました。
論文: Analysis of digital capacity-related factors influencing health promotion participation and active aging of older adults residing in rural areas in South Korea: A structural equation model
2023
第20回DIHAC研究会報告
第19回DIHAC研究会報告
第18回DIHAC研究会報告
第17回DIHAC研究会報告
第16回DIHAC研究会報告
第15回DIHAC研究会報告
第14回DIHAC研究会報告
DIHAC研究【タイ2023年】
2022
第13回DIHAC研究会報告
DIHAC研究【シンガポール2022年】
DIHAC研究【韓国2022年】
第12回DIHAC研究会報告
第11回DIHAC研究会報告
DIHAC研究【東京教育講座】
第10回DIHAC研究会報告
第9回DIHAC研究会報告
2021
DIHAC研究発表2 DIHAC研究発表1
DIHAC研究計画書 DIHAC研究倫理承認
第8回DIHAC研究会報告
第3回DIHAC研究会報告
第2回DIHAC研究会報告
第1-9回DIHAC研究会報告